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アタカマ石 ATACAMITE

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銅を含む鉱物が酸化分解してできる二次鉱物。アタカマ砂漠が原産地で、名前はこれに由来します。 緑色の粒状・繊維状・小さな板状となって産出し、火にかざすと青色の炎色反応を見せてくれます。 砂漠や海岸近くの銅の存在する場所や、火山の噴気の中の銅や塩素が昇華してできることもある鉱物です。 ハロゲン化鉱物アタカマ石はハロゲン化鉱物です。 石の基礎知識 石の種類にてちらっと書いていますがここでそのまま記します。 --- フッ素・塩素・臭素・ヨウ素など、ハロゲン元素が金属元素と結びついている鉱物をハロゲン化鉱物といいます。 ハロゲンという言葉は塩という意味の”ハルス”が語源と言われています。 海水・塩湖の蒸発に伴って堆積した蒸発岩に生成するものが多くとても柔らかいです。 --- アタカマ石は塩素を含むハロゲン化鉱物です。 その昔海だった砂漠の中、もしくは海岸等海のそばに多く存在します。 また、火山の噴気の中の銅や塩素が昇華して産するケースもあります。 蛍石や岩塩もハロゲン化鉱物です。 多形同質異像(多形)とは、化学組成が同じで結晶構造が異なる(原子の配置が異なっている)もの。 圧力や温度など、石が作られるときのちょっとした変化によって、どの石になるか決定される性質を持ちます。 アタカマ石の多形は、 ボタラック石-単斜晶系単斜アタカマ石-単斜晶系パラアタカマ石-三斜晶系があり、アタカマ石と混在していることもあります。 基礎データ 化学組成 ハロゲン化鉱物 Cu2(OH)3Cl色 緑色条痕 緑色結晶系 斜方晶系へき開 完全硬度 3.5比重 3.8

アダム鉱 ADAMITE

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亜鉛を含む鉱床の二次鉱物。発見者のフランスの鉱物学者ジルベール・アダムに由来します。
亜鉛と砒素を含む場所で酸化することによって産し、褐鉄鉱とともにクリーム-黄緑色の球状の集合体や短い柱状、腎臓状の姿をしたアダム鉱を良く見かけます。 そして、明るい黄色の蛍光が観察できる鉱物です。 色と蛍光と熱クリーム-黄色が一番多く見かけるアダム鉱ですが、カラーレスもあります。 ですがこのカラーレスは稀な色合い。 また、微量の銅を含むと青-緑色、同じく微量のコバルトを含むとピンク-紫色となりますが、この微量成分そのものが発光を妨害してしまうため蛍光性は示しません。 炎をかざすと溶けて液体化してしまうアダム鉱、熱を加えたものは蛍光性がなくなります。 基礎データ 化学組成 ヒ酸塩鉱物 Zn2(AsO4)(OH)色 クリーム-黄色 ピンク-紫 青-緑条痕 白色結晶系 斜方晶系へき開 完全硬度 3.5比重 4.3-4.5蛍光

アマゾナイト AMAZONITE

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和名は天河石(てんがせき)。 アマゾナイトという名前の由来はアマゾン川流域が原産地ということからです。 ですが、アマゾン川流域での産出はないとのこと。 青・青緑のこの石の色味は、不純物として混じっているごく微量な”鉛”。 長石グループ-カリ長石-微斜長石であるこの石は仲間がたくさんいますが、この色合いでアマゾナイトとすぐにわかります。 ※長石グループの解説はこちらへ りんどうの花とアマゾンストン 宮沢賢治 アマゾナイトは別名でアマゾンストーン・アマゾンジェードとも呼ばれます。 宮沢賢治の虹の絵具皿(十力の金剛石)にて”アマゾンストン”と表記され、りんどうの花にたとえられているあの石です。”りんどうの花は刻きざまれた天河石アマゾンストンと、打うち劈くだかれた天河石アマゾンストンで組み上がり、その葉ははなめらかな硅孔雀石クリソコラでできていました。青空文庫 虹の絵具皿(十力の金剛石)”石好きならば、テンションが上がるのではないでしょうか? 宮沢賢治というと”石っこ賢さん”がぱっと出てきますが、私が最初に触れたのは、雨ニモマケズ(あえてカタカナ…)です。 学校の授業で丸暗記させられました。 そのあと、銀河鉄道の夜。 そして…石っことわかってからこうなりました。 ”十力の金剛石”は石だらけのキラキラです! 何度読み返しても良き時間をくれるお話です。 (作品のリンク先はすべて青空文庫の該当作品です。もしお時間があればどうぞ。) アマゾナイトの別名 十力の金剛石からでしょうか、アマゾンストーンという呼称があります。 また、翡翠に色味が似ていることからアマゾンジェードとも呼ばれます。
青よりか緑よりか、はたまた光沢などでも変わりますが、トルコ石やエメラルドにも似ているともよく言われています。 ですが、白っぽい色合いが混じって産出されることが多く、単色での産出はとても少ないです。 主な産出は深成岩(花崗岩やペグマタイト)です。 アクセサリーの注意水を吸いやすく変色しやすいため、ブレスレットなどつけたままの水場の利用は気を付けてください。 またへき開が二方向に完全なため割れやすいです。 落としたりしないよう気を付けてください。 また、超音波洗浄機の利用はやめたほうが良いです。 基礎データ 化学組成 珪酸塩鉱物 KAlSi3O8色 青 青緑条痕 白色結晶系 三斜晶系へき開 明瞭(二方向)硬度 6~6.5比重 2.55-2.63

ポルダーバールタイト POLDERVAARTITE

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Poldervaartite N'Chwaning Mine, Kuruman, North Cape, South Africa オルミアイトとポルダーバールタイトポルダーバールタイトといえば、2006年に新鉱物として登録されたオルミアイトとの絡みが浮かびます。 もともとはポルダーバールタイトでひとくくりとされていましたが、Mn(マンガン)の含有量が多いポルダーバールタイトが発見され、それがオルミアイトとなりました。
Ca(Ca,Mn)(SiO3OH)(OH) Ca<Mn オルミアイト(Olmiite) CaMn2+(SiO3OH)(OH)Ca>Mn ポルダーバールタイト(Poldervaartite) CaCa(SiO3OH)(OH)かっちり置換した状態ということではなく、端成分がCaとMnで間の部分はバリエーションがあります。 肉眼での判別は不可能です。
過去、ポルダーバールタイトととして鑑別されたものでも、オルミアイトとして鑑別結果が出るものが多数あるかと思います。 それぞれの産地別で見たときに、とある産地で産出したポルダーバールタイトはほとんどがオルミアイトだったという話もあります。 お手持ちのポルダーバールタイト、オルミアイトかもしれませんね。 名前の由来ポルダーバールタイトはオランダの岩石学者 Arie Poldervaart 、オルミアイトはイタリアの鉱物学者Filippo Olmiに因みます。 基礎データ化学組成 マンガン珪酸塩鉱物 Ca(Ca,Mn)(SiO3OH)(OH)色 カラーレス 乳白色 ピンクホワイト 茶色条痕 白結晶系 斜方晶系へき開 なし硬度 5比重 2.91※参考 mindat.org-PoldervaartiteOlmiite-Poldervaartite Series

灰重石 シェーライト シーライト SCHEELITE

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名前の由来はスウェーデンの化学者カール・ヴィルヘルム・シェーレが由来で、この石の研究を行っていたことからとのこと。
日本名の灰重石は、灰=カルシウム(Ca)・重石=タングステン鉱。
タングステンは電球のフィラメントなどに使われている融点が高く比重が重いレアメタルです。
元素記号W、原子番号74。
タングステンの鉱石としての採掘量は、鉄マンガン重石(ウォルフラマイト wolframite )についで2番手を担っています。
鉄マンガン重石との関係
鉄マンガン重石は、鉄重石(ferberite)とマンガン重石(Huebnerite)の連続固溶体の関係です。
鉄重石 FeWO4 ー 鉄マンガン重石 (Fe,Mn)WO4 - マンガン重石(MnWO4)
固溶体のルールにより、端成分である鉄とマンガンに鉱物名が分けられています。
固溶体を形成する鉱物の命名 固溶体を形成する鉱物を命名する際には、いわゆる「50%ルール」に従う。AとBを端成分とする2成分固溶体の場合、A50B50を境界として2つの鉱物名にするというものである。 例えば、斜長石はNaAlSi3O8(Ab)とCaAl2Si2O8(An)を端成分とする連続固溶体であるため、A50B50を境にして、Ab側を曹長石(アルバイト)、An側を灰長石(アノーサイト)とする。wiki 固溶体より引用 ラブラドライトに掲載しています表もこのルールが適応されたものです。

そもそも…
鉄マンガン重石という石はもともと知られていましたが、その成分がはっきりわかっていませんでした。(当時はマンガンもタングステンも未発見です。)
そんな中、1751年スウェーデンで重い石=タングステンと呼ばれていた白い鉱物(=現在の灰重石)が発見されます。
シェーレはその発見から30年後の1781年、その白い鉱物を分析し未知のものだろうと思われる物質を発見。
ですが、その発見した物質を単離できませんでした。
それから2年後の1783年、ファウスト・デ・エルヤルが鉄マンガン重石から物質の単離に成功。
その単離させた金属の元素名をウォルフラム(wolfram)と名付けましたが、シェーレの単離に至らなかったあの物質と同じものということが判明します。
しばらくはウォルフラムと呼ばれていましたが、現在はタングステンという名前が国際的に用いられています。
ちなみに…

スクテルド鉱 スクッテルド鉱 方砒コバルト鉱 SKUTTERUDITE

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英名のスクテルダイトは原産地ノルウェイのスクテルド地方からの命名とのこと。
熱水鉱脈より輝コバルト鉱等、ニッケル・コバルトを含む鉱物と一緒に産する、コバルト鉱石の一つです。
結晶の形は八面体や十二面体や塊状で、色合いは銀白色の姿です。
(コバルトはコバルト華からも抽出されており、コバルト華に記載してあります。)
基礎データ化学組成 硫化鉱物 CoAs2-3色 灰白色条痕 黒色結晶系 等軸晶系へき開 不明瞭硬度 5.5-6比重 6.5-6.9

スティブナイト 輝安鉱 STIBNITE

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輝安鉱(スティブナイト)は、光沢のある金属っぽい見た目ですが、実はとても柔らかい鉱物で、硬度は2。
指の爪で何とか傷をつけることができる程度の硬さで石膏が指標鉱物となっています。
金属元素であるアンチモン(Sb)の原料として使われる鉱石です。
アンチモン Sbアンチモンは金属元素の一つで車のバッテリーが身近かなと思います。 (鉛蓄電池) プラスチックなど、そのままでは熱に弱いものでもこのアンチモンを少し添加すると燃えにくくなります。
耐火性の向上での使用や、他に、ガラスやセラミックなどの染料としても使われています。 またその昔は化粧品に使われていました。 ですが、このアンチモンは毒性が強く、代替のものを使うようになってきています。 アンチモンの名前と元素記号の由来 この元素記号のSbですが、輝安鉱の鉱物名からつけられています。 アンチモンはANTIMONY→ギリシャ語で孤独を嫌うという意味のANTI-MONOSが元素名の由来で、元素記号の方は輝安鉱をさすラテン語のSTIBIUMからとのこと。 命名に関しては諸説あるようですが、個人的に孤独を嫌う説が好きです(笑) 単体で見つからないということからのようですが、このテラテラのかっこいい見た目から、孤独を嫌う… ちょっとクスッとしてしまうのは私だけでしょうか? 産出 産状 熱水鉱脈に産し、黄鉄鉱や石英、辰砂、方鉛鉱、閃亜鉛鉱などと共生します。
中国湖南省が産地として有名です。
また日本も良質の輝安鉱が採取されることで有名で、海外の博物館に展示されるほどの美しさです。
ですが国内にはあまり残っていないという現状があります。
ルーマニア・ペルー・イタリア・ボリビアなどでも産します。
基礎データ化学組成 硫化鉱物 Sb2S3色 鉛灰色条痕 鉛灰色結晶系 斜方晶系へき開 完全硬度 2比重 4.6

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