ウミユリ/ウミツボミ 棘皮動物 Echinodermata
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ペントレミテス Pentremites sp. Indian Springs Shale Fm, Crawford Co., Indiana, U.S.A |
棘皮動物とは、棘皮動物門 (Echinodermata)の総称です。
カンブリア紀からオルドビス紀に最も栄え、その後、少しずつ減っていきます。
古代末期の大量絶滅の際に5個が生き残り、それが先程のウミユリ網・ヒトデ網・クモヒトデ網・ウニ網・ナマコ網となります。
特徴
ほぼ全て海で生きています。
そして幼生期を除いて底生生活をします。
(底生生活 水域の底で生活する→海の底)
五放射相称
ヒトデの星型は5本の腕。
”5”にまつわる相称の形を持つものが大多数です。
外見的に”5”がなくとも、ナマコの一種では内部の筋肉帯などに”5”が存在します。
厳密にはすべての棘皮動物に共通はしていないのですが他では見られない特徴として、この五放射相称があげられます。
水管系
特殊な環状のシステムを体に持ち、呼吸・運動・採餌・知覚などの役割を持ちます。
このシステムの中の水孔・多孔板を通じて外界の海水と接しており、システム末端の管足で運動・採餌を行っています。
この管足の水圧を調整して運動しています。
キャッチ結合組織と骨片
ナマコは刺激を受けると体を固くしたり、しばらく放置してなにもないとでろんと柔らかくなったりします。短時間でその硬さを変えるのですが、これは筋肉で行っているのではなく、ナマコの皮の中にあるキャッチ結合組織で行っています。
ウニも岩場から引っ張り出そうとするとトゲが固くなり、なかなか出せなくなるのも同じです。
皮膚の中の小さな小さな無数の骨片の関節の周りにキャッチ結合組織がありこれがカチンと固まることで関節が動かなくなり固くなります。
皮膚の下に無数の小さな骨片を持っていることも棘皮動物の特徴です。
再生能力が強力
ナマコは外敵に襲われると内蔵器官(腸)を体外に出し、その内臓を敵が食べている間に自分は逃亡します。もちろん、その後食べられた腸は再生し復活します。
ヒトデは体を2個に分けて、不完全な部分を修復再生するものもいます。
棘皮動物ご紹介
ウミユリ
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カルセドニー(クリノイド仮晶)Chalcedony(after Crinoide) Carboniferous period Donetsk oblast, Ukraine |
ウミユリ類 Crinoids(クリノイド)
オルドビス紀初期に現れ石炭紀初期に最も栄え、古生代末の大量絶滅で激減しましたが、生き残ったウミユリが更に多様性を増し、現在、600以上の現生種が知られています。
古生代の海で底生動物として最も栄えたグループです。
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カルセドニー(クリノイド仮晶)Chalcedony(after Crinoide) Carboniferous period Donetsk oblast, Ukraine |
見かけが植物の花に似ていることからウミユリの名前がつけられました。
※写真はウミユリの茎の部分です。
ウミツボミ
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ペントレミテス Pentremites sp. Indian Springs Shale Fm, Crawford Co., Indiana, U.S.A |
ウミツボミはウミユリと似たような形をしていています。
このつぼみのような部分だけがよく化石として見かける姿で、茎や腕の部分はほとんど見かけません。
茎は根っこのようにいくつか分岐をしてその部分を海底にくっつけて生活していました。
このつぼみの形、特徴である五放射相称の形をなしています。
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ペントレミテス Pentremites sp. Indian Springs Shale Fm, Crawford Co., Indiana, U.S.A |
細いギザギザ部分は”歩帯溝”といわれ、この歩帯溝から腕(花で例えると花びら。細長い形です。)が伸び採餌していました。
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ペントレミテス Pentremites sp. Indian Springs Shale Fm, Crawford Co., Indiana, U.S.A |