投稿

9月, 2019の投稿を表示しています

トパーズ Topaz

イメージ
11月の誕生石。
和名黄玉(おうぎょく)、透明感のある黄色を思い浮かべる人が多いと思います。
今でこそ上質なものは採掘できませんが、以前は日本で上質なものが採掘されていました。
”ナイト ミュージアム”という映画で”アメリカ自然史博物館”が出てきます。
その”アメリカ自然史博物館”にて所蔵されている、世界で一番美しいと言われているトパーズは、なんと日本産!
岐阜県が故郷の463カラットのブルートパーズです。
名前の由来 トパーズの語源に関して、いろいろな説があるそうです。

海賊が天候不順でとある島に上陸し、食べ物などを探していた時にこの石を偶然発見した。
→この海賊の言葉で、探し求める=トパズィンから。
採掘される島が、いつも霧で覆われていて探さなければいけない。
→探し求める→ギリシャ語でトパゾス(topazos)から。
古代インド、サンスクリッド語の”火”と言う言葉”タパス”(tapas)が語源では?
ペリドットでも少し触れていますが、その昔(古代)、トパーズと呼ばれていたものは、今のペリドットだそう。
語源に関する上記の説はペリドットを示すものだそうです。

国や過去の歴史などによって同じ石でも呼び名が異なったり同じだったりするのです。
また、よく聞くと思いますが”オリビン”と言う呼び名。
これはペリドットのことであったり、緑色のガーネットの呼び名として使われていることもあり、近年国際協定で”ペリドット”と統一されました。
少々話がそれましたが、このトパーズの呼び名に関しては、ちょっと存在感が薄くなってしまうような切ない歴史です。
ではなぜ現在のトパーズがペリドットとの兼ね合いの中で現在の位置づけになったのか?
それは謎です。

”シトリントパーズ”という名前を見かけますが、これは、黄色水晶=シトリンのことです。
トパーズとは別のものなので注意してください。
トパーズの種類 トパーズの種類はたくさんありますが、大きく分けてOH(水酸基)タイプとF(フッ素)タイプにまず分けられます。
OH(水酸基)タイプ
黄色・オレンジ・ピンク・紫F(フッ素)タイプ 
無色・黄色・褐色・淡青~青色・淡緑 代表色を記しましたが、カラーが全てではありません。
厳密には屈折率が違うことが決め手となるそうです。
トパーズの色彩 豊富なカラーがあります。
インペリアルトパーズピンクトパーズブルート…

アラゴナイト Aragonite

イメージ
和名 霰石(あられ石)
この石はいろいろな色があります。
無色・白・黄・青・ピンク・紫・褐色等。
形状もさまざまで、岩の間になぜ珊瑚?と思う珊瑚そっくりな”山珊瑚”
霰に似た豆粒状のもので”豆石”
針状や柱状、繊維状のものなど。
この石は斜方晶系ですが、この結晶が3つ集まって双晶をなし六角柱状になるものもあります。
透明のものもあれば不透明なものもあり、多種多様です。
硬度は3.5~4でへき開は明瞭です。
名前の由来 この石の名前の由来ですが、英名”アラゴナイト”は、最初に発見されたのがスペインのアラゴン地方にちなんで名づけられました。
和名の”霰石”は江戸時代に長野県で豆粒のような石が産出した際、霰に似ていたので霰石と呼んでいました。
時代は進み明治時代になり、霰に似た石はアラゴナイトだ!ということになったのですが、更にまたその後、霰石と呼ばれていた石はアラゴナイトではなく、カルサイトだったことが判明。
しかし、以前から霰石と呼んでいた名残で、和名は霰石となったそうです。
同質三像 このアラゴナイトは、
カルサイト(方解石) バテライト と同質三像です。

同質異像(多形)とは、化学組成が同じで結晶構造が異なる(原子の配置が異なっている)もの。
圧力や温度など、石が作られるときのちょっとした変化によって、どの石になるか決定される性質を持ちます。
3種類の鉱物が同質異像の関係になると、同質三像といいます。
(同質異像で説明がなされていることも多いです。)
バテライト vaterite ファーテライト ファーテル石 このバテライト(vaterite)ですが、ファーテライト・ファーテル石とも言います。
調べたところ、1911年に人工的に作られたその後、アイルランド北部で天然のものが産出されたそうです。
かなり不安定な為、自然界ではほとんど産出はされないそうです。
人工的に生産された目的は、炭酸カルシウムの原料開発だったのでしょうか?
炭酸カルシウムというと、校庭に線を引く石灰や鍾乳洞、コンクリートや鉄鋼等。
身近にたくさん使われています。
仮晶 多形ということは、アラゴナイト仮晶のカルサイトとなっているケースもあります。
というとわかり難いですが、もともとアラゴナイトだったけれど、カルサイトになってしまった。
その際、形はアラゴナイトのままでカルサイトになっていることで…

閃亜鉛鉱 sphalerite

イメージ
手元で見るとほんとにべっ甲。
べっ甲というか、琥珀というか。
しっとりとした落ち着きがあります。

鉄閃亜鉛鉱
鉄分が多く不透明でまっ黒なタイプのもの。べっこう亜鉛
鉄分が少なく透明で黄色褐色、緑色や白っぽいものもある。 
亜鉛とは 元素記号 Zn
トタンにメッキをしたり、真鍮などの合金に使用されます。
また、人体にとっては必須微量元素の一つでなくてはならないものです。
味覚を正常にする働きなどがあり、不足すると免疫力低下をまねきます。
牡蠣やチーズ、大豆に含まれています。
亜鉛不足はお肌に良くないそうです。
産出地 産状 産地ですが写真のスペイン・イタリア・ルーマニア・イギリス・ベルギー・ポーランド・アメリカ・ロシア等。 そして日本。

秋田県佐山鉱山宮城県細倉鉱山岐阜県神岡鉱山埼玉県秩父鉱山
等、日本で目撃率は非常に高いです。

産出される場所は熱水鉱脈がメインです。
方鉛鉱(ガレナ)苦灰石(ドロマイト)とともに産することが多く、また、同じ化学組成で違う結晶系(原子の構造が違う)の鉱物でウルツ鉱という鉱物があります。
ウルツ鉱という鉱物は六方晶系・閃亜鉛鉱は等軸晶系。
閃亜鉛鉱の同質異像※にあたる鉱物です。
見た目の形がウルツ鉱でも中身は閃亜鉛鉱に変化していたりする場合が多く(仮晶もしくは仮像※)、産出量はあまり多くありません。

同質異像(多形)とは、化学組成が同じで結晶構造が異なるもの。
圧力や温度など、石が作られるときのちょっとした変化によって、どの石になるか決定される性質を持ちます。
仮晶とは、とある鉱物が結晶した形を残したまま、中身が別の鉱物に置き換わってしまうこと。

この場合、同質異像(多形)である閃亜鉛鉱とウルツ鉱が、環境的要因(圧・温度等)によって入れ替わるということです。
キラキラの源 屈折率と分散率 べっこう亜鉛はルースコレクターに絶大な人気があります。
しかし、一般的な認知度はとても低いです。
閃亜鉛鉱の硬度は3.5~4で柔らかく、へき開は斜めに完全。
柔らかいですが、宝石としてカットされます。
彩りがとても綺麗で、キラキラです。

キラキラさを見るには、屈折率と分散率。
光が透明・半透明な鉱物に入ったとき、光の速度と方向が変化することを屈折率といいます。
屈折率は入っていく光の角度と曲がった後の光の角度の比で表されます。
屈折率が高ければ高いほど鉱…

プレナイト prehnite

イメージ
和名はぶどう石。
淡い緑色でこの色合いがプレナイトといったらぱっと思い出す方が多いと思いますが、灰色~白、黄色や無色のものもあり、また形も球状や和名の由来であるブドウ状や腎臓状、はたまた四角い板状(とても小さい)のものもあります。
ブドウ状と腎臓状の違いは…ブドウ状
ブドウの房のように細かい結晶が丸い結晶を作っているもの。腎臓状
ブドウ状よりも大きい結晶が集まっているもの。
人間の腎臓のような形。 子粒ぞろいで立体的なものがブドウ状、粒が大きめでぽこぽこ出てて、全体が比較的平坦なものが腎臓状ということのようですが、ぶどう石という名前のマスカットグリーンの色合いに、腎臓状という言葉よりも、ブドウ状のほうがいいような…
産状 黒っぽく見えるものが半透明の優しい緑色にぷすっと刺さっていますが、こちらはエピドート 緑簾石です。
この緑簾石以外にも、石英や方解石などとも共生します。
火山岩中(玄武岩質~安山岩質)の脈や空洞、熱水鉱脈・ペグマタイトなどに産します。
プレナイト 二つの”初めて”  発見は1788年、南アフリカの喜望峰。
オランダ人のH・フォン・プレーン大佐が発見者で、喜望峰で見つけたプレナイトをヨーロッパへ運び、南アフリカで初めて見つけられた鉱物となりました。
今では南アフリカはいろいろな鉱物がある場所として認識されていますが、時代を感じますね。
また、もう一つの”初めて”は、鉱物の名前に人の名前が付いたのはプレナイトが初めてと言われています。
ケープエメラルド 緑色の石英のことをまとめて”phrase=フレーズ”と呼びますが、最初はこの石もその仲間と認識されていました。
しかし別物であると判明して以降、美しいものは”ケープエメラルド”という名前を付けられ、カボションカットされアクセサリーとなり、キャッツアイ効果があります。
※カボションカットした石に白い光の帯が出現する効果をキャッツアイ効果と呼びます。
また、見た目が似ていることからひすい輝石や軟玉の模造品にも使われたそうです。
プレナイトのローモンタイト仮晶 これは、濁沸石ができた後、そこにプレナイトが覆うように育ち、最後には濁沸石がなくなった(脱水)状態です。
真四角の柱の形にすっぽりと穴が空き、薄い緑色のプレナイトの上に透明のアポフィライトが育っています。 この見た目からお菓子のようと話題になりました。

ローズクォーツ Rose Quartz

イメージ
条痕は白。
へき開はなく、硬度はもちろん水晶と同じ7。
まれに黄色の蛍光を示すものがあります。
色 ピンク色に発色していますが、実はこの色、諸説あります。
不純物による発色と言うことをベースに考えられていて、微量のチタン・鉄等によるものとの説や、アルミニウム・リンとの意見もあります。
クラスタータイプと塊タイプでは発色の原因が違うのでは?という説もあります。
自形と他形 塊状(最初の写真のような)で産出することがほとんどで、いわゆる水晶のスタンダードな形であるクラスターやポイントのような結晶の形をしている事はとても少ないです。 言い換えると”自形のローズクォーツはとても産出が少ない。”と言えます。
自形(自形結晶)
その鉱物特有の形(結晶した形)がきれいに晶出しているもの。
通常、早期に晶出する場合、周りに邪魔なものがないため自由に晶出し、その鉱物特有の結晶面が発達した状態となります。他形(他形結晶)
その鉱物特有の形(結晶した形)が隣りあった鉱物などに阻まれ、うまく晶出できず結晶面が発達しなかったもの。
晩期に晶出する場合は、他の鉱物に邪魔され、その鉱物特有の結晶面がうまく発達できず、他の鉱物との隙間を埋めるように晶出します。※晶出 
石ができる段階で、液状の物からその物質が分離し結晶ができること。マグマが冷えて固まっていくときをイメージして見てください。
スター効果(アステリズム・星彩効果) インクルージョン(内包物)として細かい酸化チタン→ルチルを含んでいる場合が多く、そのルチルを含んだローズクォーツを磨き、光をあてるとスター効果が出ることがあります。
その場合スターローズクォーツと呼ばれます。

鉱物中に、ルチルの密で微細なインクルージョン(内包物)が含まれた石をカボションカットすると、4本もしくは6本の光の線が星のように出ることを言います。
そしてこのスター効果には2種類あります。
エピアステリズム
光を石の表面から照射(反射光線)した場合に出るスター効果。
例 スターサファイア・スタールビーデイアステリズム
光を石の裏側から照射(透過光線)した場合にでるスター効果。
例 ローズクォーツ 産状 産出地 この石は、堆積岩・ペグマタイト中にみられます。
堆積岩
地表の岩石が風化・酸化し、海・川に流れて底にたまった層状の粒の積み重なった岩で、化石などが多く含まれているのが特徴。ペグマタ…

モルダバイト Moldavite

イメージ
隕石が地球にぶつかった時、地球と隕石の一部が高温高圧で溶けて空中に飛び散り冷えて固まったテクタイトの仲間です。
参照 隕石-テクタイト
ネルトリンゲン 今から1500万年前、ドイツの南”ネルトリンゲン”に隕石が落下しました。
現在、ネルトリンゲンの町は、すっぽりこのクレーターの中にあり、直径24kmのリング状の丘陵地帯となっています。
またその中に内側のリングがあり、直径は11 km。
観光でドイツに行くと”ロマンティック街道”で知られる町のひとつです。
※ネルトリンゲンでググって画像を見てみてくださいね。”進撃の巨人”のモデルになった町ではないかと言われています。

ぶつかった隕石は、コンピューターの計算によると直径1.5kmほどで、広島型原爆の1800万倍の威力があったとのこと。
ぶつかって飛び散ったものは、モルダウ川周辺に集中し、そのことからのネーミングです。
モルダバイト 聖遺物説 テクタイトもそうですが、儀式や装飾品として古くから用いられています。 ”聖遺物”ではないか?とも考えられているようです。
アーサー王伝説で有名な”聖杯”はモルダバイトだったのでは…との考えもあります。
※参考聖杯伝説

水晶 Quartz

イメージ
4月の誕生石はダイヤモンドが有名ですが、水晶も誕生石です。
イギリスでは誕生石として認定されています。
水晶(rock crystal[英])は、石英(quartz)のなかでも結晶がはっきりしていて無色で透明度が高いものをさします。
水晶とは 石英(quartz)という鉱物のこと。
この 石英の種類と分類 をご紹介します。

まず、水晶石英に別れます。
水晶類
石英の中でも透明度が高いもの
ロッククリスタル・アメジスト・シトリン・スモーキークォーツ等
石英類
やや透明度にかけるもの
ローズクォーツ・グリーンクォーツ・等

そしてこの石英類ですが、更に別れます。
ジャスパー
不透明のもの
ブラッドストーン・レッドジャスパー・グリーンジャスパー等
玉髄類
半透明のもの

そしてもう一つ、この玉髄類の半透明のものは更に別れ…
カルセドニー
色が比較的均一なもの
カーネリアン・クリソプレーズ・ブルーカルセドニー等
アゲート(メノウ・瑪瑙)
縞模様があるもの※1
サードオニキス・ブラックオニキス・モスアゲート等

※1 縞模様がないものでもアゲートと表記のあるものは多数あります。
販売上、あまり重要視していないようです。
基礎データ化学組成 珪酸塩鉱物 SiO2色 無色 白色 紫色 茶色 ピンク色 黄色 黒色等条痕 白色結晶系 六方晶系へき開 なし硬度 7比重 2.7 水晶伝説-如意玉-日本書紀三韓征伐という記述があります。
これは、神功皇后がのちの自身の息子となる応神天皇をお腹に宿したまま海の向こうの朝鮮半島へ出兵し、新羅・百済・高句麗を制したと言われる内容です。
お腹に宿したまま出兵と言うことだけでもすごい話ですが、その理由もすごい。
夫である仲哀天皇は、神功皇后の神託をきかなかったために病気で崩御してしまい、住吉大神の神託によって出兵を決意したといわれます。
そもそも、不思議な能力を発揮していたこの神功皇后、”如意玉”なる水晶を豊浦の海で拾ってから、卑弥呼さながら、シャーマン能力は120%となったそうです。
三韓征伐の際、海の向こうへ出兵ですのでお腹の子は十月十日で出産なはず…
しかし、その最中に産気づいてしまっては困る…と、とった対策は”月延石”・”鎮懐石”と呼ばれる石をお腹に当てて冷やし、出産を遅らせたと言われます。
15ヶ月かかって出産となったそうです。
時が過ぎ応神天皇の世と…

ルチル Rutile

イメージ
和名金紅石。
ピアスなど金属アレルギーの方に使われる、チタンの重要鉱石です。
ルチルを工業用として採掘した場合のチタンの含有量は約95%。
ルチルはチタンを取り出すには非常に効率よい鉱石であり鉱物です。
チタンとは 原子番号 22 Ti
耐腐食性に優れ軽く、強度もあるチタンは、飛行機・ミサイル・宇宙船・船舶などに広く使われています。

ルチルはTiO2。
二酸化チタンです。
この二酸化チタンは、光触媒として広く利用されています。
光触媒とは光があたるといろいろな化学反応を促進する物質をいいますが、二酸化チタンの場合は光(太陽でも蛍光灯でも)があたることにより、表面に強力な酸化力を持ち、その結果、周りの悪いものを分解します。
更に親水性も発揮するため、トイレや家の外壁の汚れを防止したり、抗菌剤として応用されています。

他には日焼け止めや化粧品に使われています。
酸化チタンはすべての光の波長を反射するため、日焼け止め効果はもちろんのこと、化粧品でも肌を白く見せる効果があります。
ルチルいろいろ ルチルの形は基本的には条線が発達した柱状です。
柱状が細くなった針状のものも見られ、水晶に内包されているルチルには金色の細い針が入ったものを見ると思います。
この水晶にルチルが内包されたものを、ルチルレイテッドクォーツ(ルチルクォーツ)と呼びます。
また、この針状ルチルがもっと微細になりそれがコランダムに内包されると、このコランダムの色違い兄弟のルビーやサファイアは六条の星彩線をもつスタールビー・スターサファイアとなります。
双晶し易いためにV字やコの字の形になったり双晶が連なり、格子状のようになったものもあります。
双晶とは特定の結晶面・結晶軸に互いに対称的である2個以上の結晶がくっついたものです。
また色合いですが、赤・オレンジっぽいゴールド色・ゴールド色・黒と様々な色合いがあり、、それぞれに別名がついています。
本来のルチルにはない色合いのものも●●ルチルなどと名前がつけられて販売されていることがありますのでご注意ください。
…針状結晶→針のように細い形の結晶が入ったものについて●●ルチルなどの名前を見かけます。
基礎データ
化学組成 酸化鉱物  TiO2色 赤褐色・黄褐色等条痕 褐色結晶系 正方晶系へき開 明瞭硬度 6~6.5比重 4.2
ルチルの親戚 このルチルと鋭錐…

このブログの人気の投稿

石の基礎知識 石ができるまで

石の基礎知識 ノジュールとコンクリーション

石の基礎知識 結晶

角閃石 アンフィボール amphibole

プリニウスの博物誌 アメジスト