ダトーライト ダトー石 DATOLITE

ダトーライト ダトー石 Datolite Bor Quarry Dalnegorsk, Russia
Datolite Bor Quarry Dalnegorsk, Russia

もともとは無色の結晶ですが、副成分で褐色・緑・ピンクや赤などとなり目を楽しませてくれます。
産出が多くはないためコレクターに人気で、美しいものは宝石としてカットされています。
日本でもとてもかわいい薄紫−ピンク色のダトー石が産出されます。

名前の由来

3つ4つ文献を調べましたが、名前の由来はギリシャ語の分かれるという意味の言葉が語源とされています。
産出される結晶の形は短い柱状や板状、塊状や粒状、四角錐のような形や球状の集合体などがありますが、中でも細かい粒(時に潜晶質)が塊となって産出するケースが多く、バラバラになりやすいということからとの解説や、またこれに関連していると思いますが、デンマーク及びノルウェーの鉱物学者のJens Esmark (1762-1839) がたくさんの粒状の資料を見てそのテクスチャーを元に分割する・分かれるという意味合いの名前をつけたとあります。

出回っている標本やカットされているルースなどはもちろんそう簡単にばらばらになるものではありません。
どのようにばらばらになるのか想像でしか知る由がなく…
ちょっとどんなか見てみたいなぁと思います。

産出地 産状

火成岩中の脈や空洞、金属鉱床、片麻岩などにも産します。
アメリカカリフォルニア州、マサチューセッツ州、ミシガン州等で産し、ミシガン産のものは銅で赤く色づいた陶器質のノジュールが出るそうで、バリッシャー石のノジュールの色違いのような美しい標本が出るとのこと。(ほしい…)
ロシアダルネゴルスクは無色や緑色の結晶、メキシコチャルカスは無色ー半透明の結晶が見られます。
日本愛媛県上浮穴郡久万町で、熱水鉱脈にて斧石とともに薄い紫ーピンク色のもこもこのダトー石が、ぶどう石・アポフィライト・沸石とともに産出されました。
この薄いピンクのもこもこダトー石はボトリオ石(Botryolite )という亜種名を持っています。
もともとはノルウェイ産のぶどうの房状(=もこもこ)のものに命名されたものとのことで、日本のこの産地固有の名称ではありません。

基礎データ

  • 化学組成 ホウ酸塩鉱物 CaB(SiO4)(OH)
  • 色  無色 白色 褐色 ピンク色 緑色 赤色 灰色
  • 条痕 白色
  • 結晶系  単斜晶系
  • へき開 なし
  • 硬度 5.5
  • 比重 3.1

※ダトー石はダンブリ石と共生し似ていますがダンブリ石に書かせていただいています。