クロコアイト 紅鉛鉱 CROCOITE
Crocoite The Adelaide Mine, Dundas, Tasmanie Australie |
鮮やかな赤-オレンジ色。
和名は紅色の鉛の鉱物→紅鉛鉱。
クロコアイトの名前はサフラン色を表すkrokosに因みます。
発見は18世紀です。
サフラン色
サフラン色とは…
サフラン色(サフランいろ)は、色のひとつでサフランの雌蕊から造られた染料で染めたときに発色する色である wikiサフラン色
wikiにありますが、紀元前から染料として使われる、歴史ある色です。
鮮やかなこの色味が鉱物名になった理由がわかる気がします。
個人的にはサフランライスがぱっと出てくる私です。
柔らかい鉱物
クロムを含む母岩に鉛が入り込み酸化したもので、共生鉱物として、石英や黄鉄鉱・白鉛鉱などがあります。
硬度を見ると、2.5-3とありますが、これはかなり柔らかい鉱物とわかります。
- 人間の爪は硬度2.5
- 10円銅貨は約硬度3.5
爪と同じくらいからもう少し硬いかな?という感じです。
ミネラルショーなどで細い柱があちこちに向いた美しい標本を購入したら、そっと、大切に持ち帰ってください。
クロム
原子番号24 Cr クロム/Chromium
ルイ=ニコラ・ヴォークランが1798年にまさしくこの紅鉛鉱を塩酸で処理し鉛を除去することにより三酸化クロムを得て、さらにそれを還元してクロムという金属を得ました。
この金属ですが、化合物を作ると様々な色味がでます。
ギリシャ語の色(khroma)という意味からクロムの名前が付きました。
鉱物の発色に関し、クロムは多岐にわたって関わっており、エメラルドの緑色の発色は微量の酸化クロム、ルビーの赤い色味は約1%程度の酸化クロム。
ピンクサファイアは0.1%程の含有量になるとあの色味になるとのことです。
クロム=金属=ステンレスというイメージが強いと思いますが、石好きな人間には目を楽しませてくれることに徹してくれる影の立役者です。
基礎データ
Crocoite The Adelaide Mine, Dundas, Tasmanie Australie |
- 化学組成 硫酸塩鉱物 PbCrO4
- 色 赤色 オレンジ色
- 条痕 黄色 オレンジ色
- 結晶系 単斜晶系
- へき開 なし
- 硬度 2.5-3
- 比重 5.9-6