ルビー Ruby



和名 紅玉(コウギョク)
コランダム(和名鋼玉 これもコウギョクと読みます)という鉱物の赤い色のものをルビー、それ以外の色はすべてサファイアです。
コランダムは酸化アルミニウムであるアルミナが結晶したもので、クロムを含んでいると赤い色となります。
コランダム corundum
コランダム corundum
ルビーの色のバリエーションは濃い赤からピンクまでありますが、薄いピンクは”ピンクサファイア”とも呼ばれています。
ルビーの最高峰は、特別に濃い赤い色のピジョンブラッド(鳩の血)。
全体の0.1%にも満たない量だそうです。
そしてスター効果があるものもあり、これはルチルの微小結晶が含まれているためです。
Star Ruby
へき開はなし。(底面および菱面体方向に裂開。)
硬度は9。
ダイヤモンドに次ぐ硬さです。

合成石 第一号

世の中には”合成石”というものがありますが、合成石第一号はこのルビー。
1904年、フランスの科学者ベルヌイによってルビーの合成石は作られました。
アルミニウムとクロムを混ぜた粉を2500℃以上の炎の中で溶融させ、冷却し細長い柱状に結晶させるとういうやり方です。
合成石のルビーは、レーザー光線の光源など、精密機械に使われています。

燃える石炭

赤い色の石=ルビーと古くは考えられていたようです。
ガーネットやスピネルも同じルビーと考えられていました。
それは、
テオプラストス(前370頃~前288古代ギリシアに生きた人で、アリストテレスの弟子で哲学者)の”石について”では”アンスラックス”と呼ばれていました。
マルボドゥスの”石について”(中世を代表する宝石誌として知られる)では”カルブンクルス”と呼ばれていました。
この2冊の本の”アンスラックス”・”カルブンクルス”との呼び方は、共に”燃える石炭”と言う意味です。
マルボドゥスの”石について”では、
どんなに燃え輝く石よりも、カルブンクルスは勝っていて、燃え盛る石炭のように四方に光を放っている。
この石の名前はそこにあるのだろう。
ですが、人々が”カルブンクルス”と呼んでいたものは”赤い硬い石の総称”としてでした。
その後、英語にも”カーバンクル”と呼ばれるようになり、ガーネットやルビーを磨いて宝石にしたものを指すようになったそうです。

スピネルとルビー

Spinel on Calcite Pein Piyit Sagaing District Mogok, Mandalay Myanmar
Spinel on Calcite Pein Piyit Sagaing District Mogok, Mandalay Myanmar

スピネルは18世紀に呼び名が決まるまで、スピネルはルビーと信じられていたそうです。
インドでは、ダイヤモンドと共にルビーにもカースト制度を当てはめ、一番上の階級のバラモン以外の階級はルビーではなくスピネルだったのでは?との見解だそうです。
スピネルといえば、ロンドン塔に展示されている、黒太子のルビーが有名ですね。スピネル(尖晶石)とルビー(赤玉)の異なる部分の基礎データを上げておきます。

硬度 屈折
ルビー 9 複屈折
スピネル 8 単屈折
※屈折について
光が鉱物に入ると折れ曲がって進みます。
この折れ曲がり具合を屈折率といい、屈折率が高い鉱物ほど、きらきら輝いています。
屈折率が2つもしくは3つある鉱物があります。これを復屈折といい、鉱物に中に光がはいると2方向・3方向に分かれて進みます。
復屈折の代表カルサイト(方解石)です。
石を文字の上に置くと二重に見えます。

ルビー・サファイアの原石であるコランダムと同じ産地で産出し、さらに産出の条件が母岩が風化した後の土砂の中から見つかることも同じです。
色のバリエーションも豊富で、類似事項が多かったことから間違えられていたと考えられます。

間違えやすい名前たち

ルビーの間違えやすい名称について書いておきます。
石の名前に価値の高い他の石の名前をつけることをフォールスネームといいます。
ルビーだと思ってた!スピネルだと思ってた!と、なりがちな名称です。
一般的なものを列挙しておきます。
  • スピネルルビー
    スピネルとルビーどっちなの?と思わせるこの名前。正体は赤いスピネルです。
  • ケープルビー
    ケープ→南アフリカ産のガーネット
  • オーストラリアルビー
    オーストラリア産の上質ガーネット
  • アリゾナルビー
    アリゾナ産の上質ガーネット
  • シベリアルビー
    ロシア産の赤いトルマリン
  • ブラジルルビー
    ブラジル産の紅色トルマリン(トパーズのこともあるそうです。)
  • ボヘミアルビー
    紅石英
他にもまだあります。
石の世界の”名前”・”名称” 。
この話になると、きりがない話になっていきます。
高価な宝石を買おう!という時には予備知識として知っておくといいと思います。

ルビーのいわれ

名前の由来はラテン語で”ruber”(ルーベル)。
意味は赤い色です。

勝利の石

情熱を持って事にあたり、色々な障害を乗り越えて勝利を手に入れる石ともいわれています。

戦場のお守り

ヨーロッパでは兵士がルビーを身につけると炎と戦いの軍神マルスが宿り、負傷せず勇敢に戦えるといわれています。
負傷から身を守る=不死身。
ルビーを粉にして飲むと恐怖心がなくなり快感が増すという事もはるか昔から言われていたそうです。
ちなみにこの軍神マルスは、火曜日の神様です。

水中に入れると水が煮える

ルビーを産出するミャンマーでは、ルビーの中には”永遠の炎”が閉じ込められているということからこのようにも言われています。

体の右側につけなければルビーの力を受け取れない

ジンクスですが、王族の男子の肖像画などでは、かぶっている帽子の右側に描かれていたりするとのことです。

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