マラカイト 孔雀石 Malachite

マラカイト 孔雀石 Malachite Kerouchen Middle Atlas Mts,Morocco
Malachite Kerouchen Middle Atlas Mts,Morocco

マラカイトはアズライトと共生している姿が多く見られます。
和名は孔雀石。
層状に重なった色の濃淡は、結晶が育った成長線の跡。
このように層状のもの・塊状・ブドウ状で産出されることが多いです。
層状のものは観賞用として出回っています。

アズライト 藍銅鉱 Azurite Aouli-Mibladen Province khenifra Morocco
Azurite Aouli-Mibladen Province khenifra Morocco

この石はアズライトといろいろかぶっています。
まず、”アジュールマラカイト” ”アズロマラカイト”という呼び名。
アズライト(青)とマラカイト(緑)が混じっているものをそう呼んでいます。
そして、ともに柔らかい石なので取り扱いは要注意です。
そしてもちろん、銅鉱床の二次鉱物です。

基礎データ

  • 化学組成 炭酸塩鉱物  Cu2(CO3)(OH)2
  • 色 緑
  • 条痕 緑
  • 結晶系 単斜晶系
  • へき開 完全
  • 硬度 3.5~4
  • 比重 4

アズライトと基礎データを比べると、ほとんど同じです。
大きく違うのは色ぐらいなものです。

名前の由来

名前の由来ですが、和名の孔雀石は、層状のマラカイトが孔雀の羽のように見えるということからつけられた名前。
英名のマラカイトは、ギリシャ語でアオイ科のゼニアオイ”marache”に由来するそうです。
因みにアオイ科の仲間は、ムクゲ・フヨウ・ハイビスカス・オクラ等よく知られたものが多いです。
そしてこのゼニアオイですが、wikiのアオイ科の解説ページの下の方の画像欄にピンクの花のとっても綺麗なゼニアオイが掲載されています。
・・・ピンク?
しかし、まじまじと葉っぱを見た私。
葉っぱを遠くから見たとき、丸い球状の模様を思い浮かべました。
写真にはありませんが、マラカイトは模様が球状に丸くでることもあります。
違うかな…

クレオパトラのアイシャドウと岩絵具

クレオパトラのアイシャドウに用いていたとの話ですが単にお化粧だけではなく、相手の心を見抜く力があると言われていたために使われたとの話もあるそうです。
(他に眼病予防のためとも言われています。)
歴史に翻弄されたその人は、生きていくためにその力を信じてアイシャドウにしたのかもしれません。
昔から、世界各地で顔料として使用されています。

緑青(ろくしょう)#5BAD92
緑青(ろくしょう)#5BAD92

そして岩絵具として有名です。
日本では”岩緑青”と呼ばれていて、日本画になくてはならないものです。
※緑青(ろくしょう)#5BAD92
緑系の代表的な伝統色。
中国より飛鳥時代に色の名前とともに伝来したとのことです。