イルバイト 珪灰鉄鉱 ILVAITE
Ilvaite 2nd Sovetskii Mine , Dalnegorsk, Russia |
名前の由来は発見地のイタリアのエルバ島からですが、もともとの名前はイエナイト。
これは、イエナの戦いがもととなった名前で、1806年フランス帝国VSプロイセン王国の戦いです。
フランス帝国の勝利となったこの戦いですが、この戦いに因んだ名前ではプロイセン王国が不快になるのではとのことから発見地に因んでイルバイトと改名された、人の心に反映され名前の歴史を持つ鉱物です。
産出地 産状
接触交代作用によるスカルン鉱物です。
条線が観察される柱状の結晶で、テラテラとした黒を基本とした灰-褐色。
柱状結晶及び粒状の集合体で産出され、炎で簡単に溶け(溶融)、塩酸に入れると溶けてゼラチン化します。
発見地であるイタリアエルバ島やロシアのダルネゴルスクが大型の美しい結晶が産出することが有名で、日本では埼玉県秩父鉱山・岐阜県神岡鉱山などがあります。
グリーンランド・ギリシャ・セルビア・デンマーク・アメリカアイダホ州等北半球に産出地が集中しています。
ピッチ状鉄鉱石
ピッチとは石油を蒸留してできる黒い樹脂のような固形物のこと。
見た目が似ていることからピッチ状鉄鉱石と呼ばれるとのことです。
ですが、鉄鉱石というからには、鉄が抽出できる産業などに利用できるほどなのかと言われるとそこまでの鉄の含有量も産出量もないことがわかり、発見時に期待はされたものの利用はされませんでした。
基礎データ
- 化学組成 珪酸塩鉱物 CaFe2+2Fe3+O(Si2O7)(OH)
- 色 黒 黒-灰褐色
- 条痕 黒色
- 結晶系 単斜晶系
- へき開 明瞭
- 硬度 5.5-6
- 比重 4