デビリン デビル石 DEVILLINE

デビリン デビル石 Devilline cov. by Selenite on ankerite Bou-Beker mineMorocco
Devilline cov. by Selenite on ankerite Bou-Beker mineMorocco

名前の由来は悪魔ではなく、フランスの化学者Henri Étienne Sainte-Claire Deville(H.E.サン・クレール・デヴィーユ)[1818/3/11−1881/7/1]に因んで命名された名前です。
フランスの化学者・鉱物学者及び鉱物標本ディーラーのFélix Pisani[1831/4/28– 1920/11/7](フェリックス・ピサーニ)がデヴィーユに敬意を表し1872年に名付けたとのことです。

銅の二次鉱物であり、爽やかな美しい色合いのブルー・グリーンの結晶です。
世界のあちこちで産出され、日本でも産出されています。
針状の結晶が放射状になった集合体や葉片状の集合体などが見られます。
ミネラルショーでも見かけ、セレナイトにコーティングされた爽やかな緑色の丸い結晶が白っぽい母岩の上にポンポンとあるかわいい標本です。

そしてこのタイプですが…
デビル石という名前ではない鉱物名で同タイプ・同産地の標本を複数見かけました。
手元の標本はデビル石となっていますので、気になってMindatの写真を確認すると、同一タイプ同一産地の写真が登録されていました。
写真で確認しただけなので、厳密に調べるとまた違う事実が出てくるかもしれませんが…
いろいろな名前の鉱物名で流通してしまったがゆえに、一時的ですが怪しまれてしまった標本という悲しい事実があります。
個人的にとても可愛くて気に入っている標本でしたので、そのように言われている発言を目にするとちょっと切ない気持ちになります。

でもですよ。
自分がいいと思ったら人がどう言おうと何であろうといいのです!
自分にとってどうなのか?それが所有するということの意義だと思います。
そして、人の価値観を他人がうーだこーだ言うことこそ、愚の骨頂と思います。

以前、お客様が私のデビル石の標本を見て名前を聞かれて伝えると、ムッとして、「何なの?その名前は!」と怒られた経験があります…
悪魔という意味合いの語源ではないことを伝えると、落ち着いていただけました。
ん?でもわたし、なんでおこられたの…^^;?と思いつつ、そのお客様、私のデビル石の標本がどうしてもほしいと…
お話しましたが、結局私が折れてお嫁入りとなりました。
いつか私のもとに永久就職してくれる可愛い悪魔と出会える日が来ますように…

基礎データ

  • 化学組成 硫酸塩鉱物 CaCu4(SO4)2(OH)6・3H2O
  • 色 青色 緑色
  • 条痕 淡緑
  • 結晶系 単斜晶系
  • へき開 明瞭
  • 硬度 2.5
  • 比重 3.1