セルサイト 白鉛鉱 Cerussite
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Cerussite Dao Ping Gui Lin, Guangxi, China |
セルサイトの名前の由来は、白い鉛という意味のラテン語"cerussa"とのこと。
結晶の形は針状や柱状、板状をベースにさらに双晶となるものもあり、様々な姿で楽しませてくれます。
網目状のタイプのセルサイトは人気がありますね。
鉛を含む酸化帯にできる方鉛鉱等の二次鉱物で、硫酸鉛鉱・孔雀石・藍銅鉱などと共生します。
見た目の似ている硫酸鉛鉱との見分けは、硫酸鉛鉱が希塩酸に溶けないことに対し、白鉛鉱は泡を吹いて溶ける性質があるためこれを利用します。
キラキラ~屈折率
屈折率が高くきらきらと強い輝きが出るため、カットされて観賞用のルースとしても流通があります。セルサイトの屈折率は、1.8~2.08です。
屈折とは?
きらきらしている鉱物があります。きらきらしている理由は、光の屈折率。
光が透明・半透明な鉱物に入ったとき、光の速度と方向が変化します。
これを屈折率といいます。
屈折率は入っていく光の角度と曲がった後の光の角度の比で表されます。
屈折率が高ければ高いほど鉱物はきらきらと輝き、ダイヤモンドの屈折率は、2.42。
ルビーやサファイアは1.76~1.77、水晶は1.54~1.55です。
値が高ければ高いほど屈折率は高く、きらきら度は増します。
そして、黄色に蛍光します↓
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Cerussite Dao Ping Gui Lin, Guangxi, China |
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Cerussite Dao Ping Gui Lin, Guangxi, China |
基礎データ
- 化学組成 炭酸塩鉱物 PbCO3
- 色 無色・白色・灰色が多く、青~緑のものは銅含有
- 条痕 白色
- 結晶系 斜方晶系
- へき開 明瞭
- 硬度 3~3.5
- 比重 6.5
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Cerussite Dao Ping Gui Lin, Guangxi, China |
硬度
鉱物の硬さを見るとき使われるのが、”モース硬度計”
ドイツの鉱物学者”フリードリッヒ・モース”が考案しました。
”硬度計”というと機械のようですが、計測する機械ではありません。
硬さの基準になる鉱物を10種類選び、硬度の度数を決めたものです。
- 硬度1 滑石
もっともやわらかい鉱物。つるつるした手触り。 - 硬度2 石膏
指の爪で何とか傷をつけることができる。 - 硬度3 方解石(カルサイト)
硬貨でこすると何とか傷をつけることができる。 - 硬度4 蛍石(フローライト)
ナイフの刃で簡単に傷をつけることができる。 - 硬度5 燐灰石
ナイフで何とか傷をつけることができる。 - 硬度6 正長石
ナイフで傷をつけることができず刃が傷む。 - 硬度7 石英
こすり合わせるとガラスや鋼鉄銅などに傷がつく。 - 硬度8 トパーズ
こすり合わせると石英に傷をつけることができる。 - 硬度9 コランダム
石英にもトパーズにも傷をつけることができる。 - 硬度10 ダイヤモンド
地球上のあらゆる物質の中でもっとも硬い。
因みに…
- 人間の爪は硬度2.5
- 10円銅貨は約硬度3.5
- ナイフの刃は約硬度5.5
硬度が6度以上の鉱物はガラスを傷つけることができます。
それぞれの硬度と硬度の間の値は、すべて等間隔ではありません。
硬度9のコランダムの9倍の硬さが、硬度10のダイヤモンドです。
白鉛鉱は、10円玉程度の硬度ということになりますね。