エピドート 緑簾石 Epidote

エピドート 緑簾石 Epidote Imilchil Morocco
Epidote Imilchil Morocco

和名は緑簾石、別名はピスタサイト(ピスタチオ色から)。
黄緑色~黒っぽいものまでバリエーションがあり、含まれている鉄の量で色合いが変化します。
鉄の量が多ければ多いほど不透明・濃色となります。
鉄ではなくアルミニウムが含まれると淡い色合いになり、透明な物は暗緑色~褐色まで多色性を持ちます。

和名の緑簾石の”簾(スダレ)”。
葦(アシ)・葭(ヨシ)等を糸で編んでつなげた日よけのことですね。
一つ一つの結晶の形は細い針状や短柱状(短い柱のような形)をしていることから、明治期に名前がつけられたようです。
ですが、塊状での産出もみられます。

壁開は一方向に完全。
硬度は6~7。
比較的硬いですが衝撃に弱く、条痕は見た目の色とは違い灰色。
”緑簾石”という名前は石の名前でもあり、また、同じ性質を持つ石のグループ名でも使われます。
カルシウム・アルミニウム・シリコン・酸素が水酸基1個と結びついている珪酸塩鉱物という分類になります。

緑簾石グループ

  • 紅簾石(コウレンセキ・ピーモンタイト)
    赤色の石 埼玉県長瀞産(国指定の天然記念物)
  • 褐簾石(カツレンセキ・アラナイト)
    褐色・黒色の石 微弱な放射線を含み、金属光沢。
  • 灰簾石(カイレンセキ・ゾイサイト)
    エピドートに含まれる鉄がアルミニウムに置き換わったもの。鉄よりもアルミニウムが多くなるとこの石となる。 ただ、境界は曖昧
  • 桃簾石(トウレンセキ・チューライト)
    桃色の石 灰簾石にマンガンが含まれたもの。
  • タンザナイト
    青色の石 灰簾石にバナジウムが含まれたもの。

などがあります。

産出地 産状

火成岩や変成岩、特に緑色片岩によく見られます。
産地は日本でも採取でき、有名なのが長野県武石村(現上田市)の”焼餅石(ヤキモチイシ)”。

やきもち石 長野県武石村下本入
やきもち石 長野県武石村下本入

見た感じは普通の灰色の石ころ。
その石ころをぱかっと割ると、うぐいす餡が入ったようなお餅のようにエピドートがつまっていて、このような名前がつけられました。
鉱物学者保科百助が発見した石です。
ペアアゲートのエピドート版ですね!
世界では、イタリア・オーストラリア・ロシア・アメリカ・ブラジル等で採取されます。