ロードクロサイト 菱マンガン鉱 Rhodochrosite
ロードクロサイト 中華人民共和国広西チワン族自治区梧州市蒼梧県六堡武東鉱山産 |
和名 菱マンガン鉱
この石の産地は、アメリカコロラド州のスィートホーム鉱山を筆頭に、ルーマニア・メキシコ・ロシア・アルゼンチン・南アフリカ・そして日本。
日本では、北海道稲倉石鉱山・秋田県尾去沢鉱山等で産出されます。
別名 インカローズ/Inca rose
Inca rose |
この名前はこの石が産出される場所が、かつてのインカ帝国であったことから命名されたたとのこと。
この石を世界で最も古くから採掘されている鉱山があるのは、アルゼンチンサンルイス州。
厳密には、ここから採掘される縞模様が現れたものを”インカローズ”と呼ぶと言われる方もいらっしゃいます。
”ロジンカ”(Rosinca)も、この石の別名。
この意味は”バラ色の人生”という意味だそうで、まさしく写真のような模様の入ったこの石を基にした命名です。
また、”パッションローズ”とも言われ、恋愛と結婚によい石として人気です。
”ピンク色の薔薇模様を呈した真珠”とインカの人々に呼ばれ大切にされたと言われています。
そして、ロードクロサイト(Rhodochrosite)は英名で、ギリシア語の”rhode”=薔薇・”chrom”=色という意味合いからの命名です。
宝石として扱われているものは透明感のあるタイプのものです。
輪切りにするとカーネーション、層状の原石を研磨すると薔薇。
素敵な模様です。
産状
ロードクロサイト 中華人民共和国広西チワン族自治区梧州市蒼梧県六堡武東鉱山産 |
地下にある熱水が、割れ目や隙間に入りこみできる(熱水鉱脈)ほか、降り積もったマンガン鉱床が水や空気と反応し別の種類になってできる(二次鉱物)場合や、マグマの熱で変成作用が起こった鉱床等に産します。
形は和名についた菱の字でイメージできると思いますが菱型や、塊状・犬牙状の他、ブドウ状や鍾乳状のものもあります。
また、ロードナイトと見た目が似ていますが、採取時の判断には希塩酸を用いて発砲しながら溶ければこの菱マンガン鉱です。
マンガンとは
原子番号 25 。
元素記号はMn。
ロードナイトと共にマンガン鉱物で、マンガン乾電池に使われています。
基礎データ
- 化学組成 炭酸塩鉱物 MnCO3
- 色 ピンク 褐色 灰色
- 条痕 白色
- 結晶系 六方晶系/三方晶系
- へき開 菱面体に完全
- 硬度 3.5~4
- 比重 3.6